こんにちは、いたる(@mixart_twit)です。
今注目の中学生作家(発刊当時)、鈴木るりかさんの小説「さよなら、田中さん」を読んでみました。
著者・鈴木るりかさんは、現在都内の中学校2年在学中の14歳。
小学校4、5、6年生の時に、史上初の3年連続で小学館主催「12歳の文学賞」大賞を受賞するなど、いま最も注目されている中学生作家です。
さよなら、田中さんは、母と子の何気ない日常の話しなのですが、読んでいてとても心が温まる内容です。
このページではさよなら、田中さんの感想、あらすじなどを紹介していきたいと思います。
鈴木るりかさんが、中学生ということは抜きにしても素晴らしい作品ですよ。
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感想:貧乏でも明るく生きる花実とお母さんの心温まる話
この作品は小学6年生・田中花実と、花実を女手一つで育てているお母さんの、貧乏だけど明るく楽しく生きている2人の日常に起きる出来事を描いた、5つの作品からなる連続短編集です。
貧乏だけど明るく生きる親子の姿に、とても暖かい気持ちになる素晴らしい作品でした。
とにかく貧乏なのですが底抜けに明るいお母さんの言動を見ていると、小さな事で悩んでることがバカバカしくなってきます。
そんなお母さんと暮らしている花実はとても素直で明るい子です。
周りの同級生たちのほうが恵まれた生活をしているのに、なぜか花実たちの方が幸せに生活しているように感じてくる不思議さ。
幸せは裕福なことではなく、今ある生活をいかに楽しく生きていくかが大切なんだと感じさせられました。
作中のお母さんの言葉で、「もし死にたいくらい悲しいことがあったら、とりあえずメシを食え。」という一文があるのですが、とても素晴らしい言葉で心に刺さりました。
他にも心に刺さるお母さんの言葉がたくさんあります。
作品自体もテンポが良くすらすら読め、どんどん話に引き込まれていきました。
登場人物もそれぞれ個性があって、話を盛り上げてくれています。
収録されている5つの作品のうち、「いつかどこかで」は小学6年生、「Dランドは遠い」は小学4年生の時に書いた作品。
今作に収録される際に大幅に改稿されていますが、小学生の時にこのような作品を書いていたと思うと驚きを隠せませんでした。
今後の作品も読んでみたいと思える作品なので、皆さんもぜひ手に取ってみて下さい。
まだ若干14歳の鈴木るりかさんですが、これからいろいろな作品を書いてまた読者を楽しませて欲しいです。
さよなら、田中さんのあらすじ
いつかどこかで
母子家庭のためお父さんがいない花実。
お母さんはその話は一切口にせず、聞かれてもはぐらかすばかり。
花実は、なにも教えてくれないのはお父さんはきっと悪いことをした人なんだ、だから言えないんだと思うようになる。
そんななか、放課後の学校の校門で、ある男が花実に声をかける。
花も実もある
いつも利用している激安スーパーの社長の子供が、店の商品をただで持っていくところを見てうらやましくなり、お店屋さんの子供になりたいと思う花実。
スーパーの社長とお店の子になりたかったら、そういう人とお母さんが結婚すればいいんだよとなどと話しをしていた。
後日、大家のおばさんがお母さんに思ってもない話を持ってくる。
それはお母さんの縁談だった。
Dランドは遠い
仲のいい同級生の真理恵と美希が、今度の連休でドリームランドへ行くことを聞いた花実。
二人はお金がかかるので花実を誘うのは遠慮していたらしい。
花実はそれくらいお年玉貯めてるから大丈夫だよとつい言ってしまう。
しかし、そんなお金はどこにもない。
花実はドリームランドへ行くためにある行動に。
銀杏拾い
田中親子は毎年、晩秋に銀杏拾いに勤しんでいます。
場所は神社の樹齢何百年という御神木の下。
銀杏拾いも終わり帰るとき、花見は拝殿の方から着物を着た同級生の真理恵に気づきます。
なんでも七五三で来ているらしい。
帰宅後、花実はお母さんに七五三はやる必要があるの?と聞くが、やらなくてもちゃんと生きていると一蹴されてしまう。
しかし次の朝、お母さんは花実の前にあるものを持ってくる。
さよなら、田中さん
花実の同級生の三上君。
やってもいない覗きの疑いをかけられ、クラスの女子から取り囲まれてしまいます。
女子から文句を言われ泣き出す三上君。
そんななか花実は三上君の味方をし、間に入って騒動を収めます。
三上君は助けてくれた花実のことが気になりはじめる。
装画は漫画家の西原恵理子さんが担当
「さよなら、田中さん」の装画は、「毎日かあさん」などで有名な西原恵理子さんが担当しています。
西原さんの装画も本の内容にピッタリ。
本の世界観をよく表してくれています。
参考 鳥頭の城漫画家 西原恵理子 公式サイト
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さよなら、田中さんの口コミ
さよなら、田中さん。読み終わりました……泣いた(ノω・、)
— =( ‘ω’ =しお)~ (@shiokosyo14) 2018年6月10日
鈴木るりか「さよなら、田中さん」読了。誰しも生まれついた境遇は不平等なものだけれど、それに憤るでもなく諦めるでもなく、まるごと受け止めて「この人生」を生きる、明るい潔さが切ないほどの母と娘。全然羨ましくない生活なのに二人の命はきらめいている。最終章、何故だか涙が止まらない。超良書
— 0301Sui (@0301Sui) 2018年6月4日
さよなら、田中さんを母からもらって読んでるんですけど、これ本当に中学生がかいたの!?
すごいな…— 楓 (@kaedejojo) 2018年6月3日
鈴木るりかさん著書紹介

- 14歳、明日の時間割
- 太陽はひとりぼっち
14歳、明日の時間割
苦悩、恋、友情など、今を一生懸命に生きる14歳の日常を描いた作品です。
7つの短編小説を時間割に見立てて構成されていて、それぞれの物語が交わる場面もあります。
徐々に自分の気持ちに気づいていく描写が素晴らしい、学生時代を思い出す青春ストーリーです。

太陽はひとりぼっち
「さよなら、田中さん」の続編となる今作も、貧乏ながらも明るくたくましく生きている花実とお母さんは健在。
前作では語られなかった、元神童の大家さんの息子の生い立ち、お母さんの隠されていた過去などが明かされていきます。
内容は三つの短編で構成されていて、花実親子、三上君、木戸先生がそれぞれ主人公です。
学生から大人まで、幅広い世代の方が読める作品になっています。

私を月に連れてって
「太陽はひとりぼっち」の続編となり、明るく楽しく生きる花実親子は健在。
花実親子以外に、賢人のエピソードも収録されており、充実した内容の作品となっています。

とても感動しました(T ^ T)