こんにちは、いたる(@mixart_twit)です。
2017年本屋大賞で2位になった、森絵都さんの長編小説「みかづき」。
624ページにわたる長編なのに長さを感じさせない、とても面白い作品でした。
【感想/あらすじ】そして、バトンは渡された/瀬尾まいこ ※少しネタバレあり
内容は、戦後から現代までの日本の教育と塾の歴史がメイン。
ですが、それだけではなく塾に生涯をかけた、吾郎と千明夫婦の家族三代にわたる物語にもなっている作品です。
さらに、1月26日にはNHK総合でドラマが放送予定。
今回は、その「みかづき」の感想やあらすじなどを紹介していきたいと思います。
みかづきの感想 ※少しネタバレあり
戦後から十数年、まだ塾のない時代に塾を始めた吾郎と千明の物語です。
千葉県の八千代台や津田沼が作品の舞台。
千葉進塾のモデルは、千葉県市川市で創業された「市進学院」といわれています。
教育方針の転換に振りまわされながらも、子供や日本の将来を考え理想を追求していく吾郎と千明の姿が、とても輝いて見えました。
ですが、この作品の魅力は塾を築いていく二人の姿だけではなく、その半生を語るうえで関わっていく仲間や家族たちの物語にもあります。
話しが進むにつれて、吾郎、千明、孫の一郎と、物語の語られる視点が変化。
当時は分からなかった、それぞれの思いを知ることができる構成になっています。
個人的には、一郎の視点で書かれている終盤部分が好きです。
教育にはかかわらないと決めていたのに、千明から受け継がれている血筋には逆らえず教育の道に進んでいく。
そんな一郎の姿は、読んでいてとても応援したくなります。
「松井秀喜」や「ビリーズブートキャンプ」など、作中には時折、実在の人物などが登場。
そのおかげで、その時代をより鮮明に思い出させる工夫がされています。
僕は「みかづき」を読んでいて、
「ゆとり世代、さとり世代と呼ばれた子供たちが、日本の目指していた未来だったのかな。」
「今までのやり方は失敗だったんじゃないかな。」
そう感じたりもしましたが、「常にかけている三日月のように、欠けているからこそ人は満ちようする」という千明が最後に残した言葉と、吾郎の「教育に完成はありません」という言葉にいろいろ考えさせられました。
教育の成果を失敗や成功で語ることが多々ありますが、どの時代でも子供たちや日本の将来を考え奮闘していた人がいる。
ということを忘れてはいけないと、最後にはそう思えるようになりました。
みかづきのあらすじ
小学校の用務員として働いていた大島吾郎は、用務員室で子供たちに勉強を教えていた。
吾郎に教わるとよくわかる。
そんな噂が広まり、用務員室は子供たちであふれ、いつしか大島教室を呼ばれるようになっていました。
ある日、大島教室にあらわれた一年生の蕗子に、吾郎は引き付けられる。
なぜなら蕗子は他のことは違い、勉強ができる子だったのだ。
蕗子のような子が何故ここに来るのか分からない吾郎は、蕗子にその理由を尋ねる。
すると蕗子は、お母さんに勉強をどう教えてるか見てくるように、つまり偵察をしてくるように言われていた。
蕗子が母こと赤坂千明に、吾郎とのことを伝えた翌日、千明は用務員室の見学を願い出る。
千明の目的は、教育の才を持つ吾郎を、これから始めようとしている「学習塾」に誘うこと。
そのために、吾郎のことを蕗子に偵察させていたのだった。
初めは断った吾郎だったが、何故か千明の「学校教育が太陽だとしたら、塾は月のような存在になると思うんです。」という言葉が頭から離れなかった。
それから数日後、1通の手紙により吾郎の運命は動き出す。
手紙の中身は吾郎の素行に関する密告、その密告により吾郎は職と住む場所を奪われてしまう。
行くあてもない吾郎の足は、千明の家へと向かっていた。
そして教育という荒波へ足を踏み入れた吾郎は、学校教育との対立、千明との塾の方針や在り方の相違、家族のことなど、様々な問題に直面。
吾郎は苦しみながらも、教育とは何なのかを見つめ、自分なりの答えを見つけられるのか。
昭和から平成にかけて起きた、学習塾をめぐる物語がここから始まる。
みかづきの口コミ
みかづき/森 絵都
最後に解明される題名の意味に感動
昭和から平成にかけての教育を主題に据えた、四世代にわたる家族の物語。正解に向かって頑張る人々がいるのは教育の世界だけじゃないんだろうな。自分も頑張らなきゃなーって思える本でした。なかなか奥深い話でもあり読んでよかったと思う pic.twitter.com/BskPQcn4Ai— ㅤr i s a (@M5Pkov6) 2017年5月8日
森絵都著「みかづき」読了。昭和から平成の塾業界、教育に関わる三世代の家族の物語。教え、育てること。それがどれほど大変で、そして大事なことか。月の光のように、やさしく淡く、みかづきのように鋭く、太陽のように熱い小説だった。胸がいっぱいだ。 pic.twitter.com/t91aNOKEWR
— 小橋めぐみ (@megumikobashi) 2017年2月5日
【読了】
みかづき
森絵都教育とは何か。塾という概念がなかった時代に塾を創り、理想の教育を追求していく一族の物語。
表紙からほのぼの話だと思っていたが、騙された。ただアツい。作者の熱意が迸る。
『太陽が照らしきれない子供たちを照らす月、それが塾』#ほんだなのほんたち pic.twitter.com/ZbOFl0sS4S
— らんまる先生@読書・映画・アート (@monet_mucha_art) 2017年4月7日
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1月26日(土)からTVドラマがスタート
NHK総合で2019年1月26日(土)よる9時から、ドラマが放送されました。
放送は全5回です。
※再放送は、NHK総合で木曜の午前1時(水曜深夜)。
日本の教育に翻弄されながらも、塾と教育に生涯をささげてきた、吾郎と千明夫婦とそこに関わる人々の物語。
『みかづき』がドラマでどのように描かれるのか、気になりますね。
1月26日からNHKでドラマも始まります。
[telemap]土曜ドラマ「みかづき」(1/26) 2分PR https://t.co/NBbHy7NIAD— いたる🏂雑記ブログ (@mixart_twit) 2019年1月21日
登場人物・キャスト
大島五郎 : 高橋一誠
大島(赤坂)千明 : 永作博美
赤坂頼子 : 風吹ジュン
上田(大島)蕗子 : 黒川芽以
上田一郎 : 工藤阿須加
大島蘭 : 大政絢
大島菜々美 : 桜井日奈子
勝見正明 : 勝矢
国分寺努 : 六角精児
井上阿里 : 岡本玲
第1回「輝く瞳」(2019年1月26日)
1月26日からNHKでドラマも始まります。
[telemap]土曜ドラマ「みかづき」(1/26) 2分PR https://t.co/NBbHy7NIAD— いたる🏂雑記ブログ (@mixart_twit) 2019年1月21日
小学校の用務員として働いている大島吾郎は、子供たちに勉強を教えていた。
いつしか吾郎に教えてもらうと成績が上がると評判になる。
そこに目をつけた赤坂千明は、娘の蕗子に吾郎のことを偵察させていたのだった。
そして千明は直接吾郎のもとへ行き、吾郎の教える力を確かめる。
それから数日後、1通の手紙により吾郎は小学校を追い出されてしまう。
帰る場所のなくなった吾郎は、千明のもとへと向かっていた。
家を訪ねてきた吾郎に、千明は「塾」を一緒にやってくれないかと誘う。
「私、学校教育が太陽だとしたら、塾は月のような存在になると思うんです。」
千明の「塾」への思いを聞いた吾郎は、一緒に塾を開くことを決める。
原作では終盤の吾郎の孫「一郎」のエピソードが、各回に少しづつ組み込まれていくみたいです。
第2回「我が家は学習塾」(2019年2月2日)
第2回予告動画
[telemap]土曜ドラマ みかづき 0202_ https://t.co/BPB25jDYqq— いたる🏂雑記ブログ (@mixart_twit) 2019年1月26日
吾郎が千明とともに開いた「八千代塾」は、入塾希望者も多く順調にいっていたが、新聞などで塾を批判する記事がを目にするようになっていた。
ところが、千明は逆に宣伝になると、気にするそぶりすら見せない。
ここ最近は大手の塾が進出してきているて、個人塾は淘汰されているところも少なくない。
千明は塾の将来を見据え、評判のいい勝見塾との合併を決め、吾郎に告げた。
しかし、吾郎は相談もなく決めた千明に不満があったこともあり、合併に反対する。
そんなとき、蕗子がいなくなり慌てる吾郎と千明。
すぐに見つかったが、塾のせいで同級生から学校でからかわれていたのが原因だった。
第3回「翳(かげ)りゆく月」(2019年2月9日)
「みかづき」第3回予告動画
[telemap]土曜ドラマ みかづき 0209_ https://t.co/GhzHMy5ihW— いたる🏂雑記ブログ (@mixart_twit) 2019年2月2日
吾郎は、一枝に進めらた「スホムリンスキー」の本を読んで見ることに。
スホムリンスキーに感銘を受けた吾郎は、それをもとに自分の教育に対する思いを本にしたいと千明に申し出る。
千明をこれを受け入れ、吾郎は塾講師と執筆の両方に力を入れていく。
その後、吾郎の書いた教育書「スホムリンスキーを追いかけて」は賞を受賞。
八千代進塾も「千葉進塾」へと名前を変え、事業を順調に拡大させていた。
そんなとき、ライバルの清新学院に船橋校の講師を4人引き抜かれてしまう。
この事件をきっかけに、吾郎は千明が補習塾から進学塾への方針転換を考えていることを知る。
全く相談もなく話を進めていたこともあり、吾郎は激怒。
家に帰っても、千明と吾郎は言い争っていた。
しかし、その日は祖母・頼子の誕生日会。
言い争う吾郎と千明に嫌気がさした欄は家を飛び出してしまった。
そんな中、吾郎は蕗子から頼子が重い病気であることを告げられる。
だが、頼子の病状はすでに手の施しがない状態だったこともあり、それから数日後、帰らぬ人となってしまった。
千明は千葉進塾の自社ビルを建てる計画を進めていた。
それを機に、進学塾へと方針の転換を提案するが、吾郎は猛反対。
二人の意見は折り合うことはなく、吾郎は塾長の座を退き、家族を残し家からも出て行ってしまう。
第4回「懐かし我が家」(2019年2月16日)
『みかづき』第4回予告動画
[telemap]土曜ドラマ みかづき 0216_ https://t.co/C9HvklOzFy— いたる🏂雑記ブログ (@mixart_twit) 2019年2月11日
吾郎が塾長を退き家を出てから3年後、千明は計画通り津田沼に自社ビルを建築。
千葉進塾は、高い進学率を誇る進学塾へと成長していた。
ある日、千葉進塾と千明を誹謗中傷するビラがばら撒かれる事件が発生する。
このとき、交通アクセスが良く、塾の数がどんどん増えていた津田沼では、塾同士のしれつな津田沼戦争が繰り広げられていたのだった。
そんななか、稲毛校のベテラン教員・小笠原らが待遇の改善を求めてストライキを計画。
欄の機転をきかせた行動により何とかその場を収めた千明だったが、小笠原から
「大島五郎の理念はここには残っていない。あなたはかつて批判していた文部省と同じことをやっている。」
と言われてしまう。
さらに、八千代進塾のころから供にやってきた勝見が千葉進塾を離れることになり、千明は孤独感に深めていった。
いつものように自社ビルの前にいる千明に近づく不審な人物。
千明が振り返ると、そこには家を出ていったきり音信不通だった吾郎がいた。
最終回「いつか未来に」(2019年2月23日)
『みかづき』最終回予告動画
[telemap]土曜ドラマ みかづき 0223_ https://t.co/ePNEpeh55h— いたる🏂雑記ブログ (@mixart_twit) 2019年2月18日
※放送終了後、更新予定です。
『みかづき』が観れる動画配信サイト

NHKオンデマンド
NHKが運営している動画配信サイトです。
特選見放題パックを契約するか、1話ごとに購入することで視聴することができます。
※特選見放題パック:月額972円(税込)、1話:216円(税込)。
残念ながら無料では観れません。
参考 NHKオンデマンドhttps://www.nhk-ondemand.jp/
U-NEXT
国内最大級の動画配信数を誇る動画配信サイト。
NHKオンデマンドと連携しているので、U-NEXT経由で見逃し見放題を契約するか、1話ごとにレンタル購入することで『みかづき』を視聴可能です。
U-NEXTでは無料体験に申し込むと、レンタル作品などに使えるポイントが600pt(600円相当)ももらえます。
そのポイントを使えば2話分はポイントで視聴することが可能です。
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