こんにちは、いたる(@mixart_twit)です。
昨年、親戚の通夜と告別式に参加し、人の死というものをあらためて考える機会がありました。
そんなときに本屋で手に取ったのが、長月天音さんの『ほどなく、お別れです』です。
『ほどなく、お別れです』は長月天音さんのデビュー作で、2018年の第19回小学館文庫小説賞を受賞。
人の死と遺族たちとの最後のお別れをテーマにした作品です。
僕も体験したばかりということもあり、とても身近に感じ共感できる部分がたくさんありました。
そこで、今回は『ほどなく、お別れです』の、感想やあらすじを紹介していきたいと思います。
ほどなく、お別れですの感想 ※少しネタバレあり
この作品は、亡くなった方との最後のお別れをする「葬儀場」が舞台です。
大学生の美空は、アルバイト先の葬儀場「坂東会館」などで体験する不思議な出来事を通して、やりたいことや大切なことを見つけていきます。
もうすぐ子供が生まれる予定だった夫婦。
幼くして病気で亡くなった少女。
最後まで分かり合えなかった親子。
美空は、亡くなった人を見たり話したりできる能力を駆使して、亡くなった人と残された遺族の思いを繋いでいきます。
亡くなった人たちの思いは、とても悲しく切なくなるものばかりでしたが、その思いを知ることができなければ、お互いに分かり合うことはなかったはずです。
作品のテーマが人の死なので暗くなりがちですが、完璧主義の葬祭ディレクター漆原や、美空と同じ能力を持つ僧侶の里見など、個性的な登場人物によって、どこか温かい雰囲気を感じることができました。
温かくて切ない、そんな気持ちになれると思います。
僕自身、本のことを知る前、親族の葬儀に参列したこともあり、とても心にささる内容ばかり。
大切な家族や自分の死など、あらためて考えるいいきっかけになったと思います。
「ほどなく、お別れです」は、今をもっと大切に生きていきたいと思える、そんな作品でした。
ほどなく、お別れですのあらすじ
この物語の主人公は、大学生の清水美空。
美空は学生生活の傍ら、東京スカイツリーのすぐそばにある葬儀場「坂東会館」で、ホールスタッフのアルバイトをしている。
この日、美空は半年ぶりに坂東会館へと向かっていた。
坂東会館では今、猫の手も借りたい状況で、スタッフの陽子が経験のある美空に声をかけていたようだ。
半年ぶりに復帰した美空が忙しく業務をこなしていたとき、見知らぬスーツ姿の男が視界に入る。
その男は、僧侶の里見と組み、訳あり案件ばかりを扱う葬祭ディレクターの漆原というスタッフだった。
実は美空にはちょっとした能力がある。
それは、霊能力に似た「気」に敏感であること。
この日も漆原の扱う葬儀で、「気」を感じていた美空。
そんな美空の能力にいち早く気付いた漆原と里見は、美空の能力を見込み、自分たちが扱う葬儀の手伝いを頼む。
訳ありの葬儀で起きる不思議な出来事と、それに巻き込まれながらも奮闘する美空たちは、亡くなった人と、残された遺族たちの思いを繋ぐことができるのだろうか…
ほどなく、お別れですの口コミ
「ほどなく、お別れです」
このタイトル一言にどれだけ胸がギュっとするだろう。
お別れすることをそぉっと暖かく抱きしめてくれる。
大事な事をおしえてくれる一冊です。#ほどなくお別れです#長月天音 pic.twitter.com/uWFlfBYl1R— lily bell (@e25_bell) 2019年1月6日
長月天音『ほどなく、お別れです』
夏川草介さんの推薦に惹かれて。
感動で鳥肌が立ったのは久しぶり。葬儀屋さんのお話。
残された人も辛いけど、残して逝く人も辛いんだと思った。何気ない一文にホッとしたり、グッときたりする。
漆原さんのような上司に憧れる。こんな風になりたい。#読了 pic.twitter.com/qv7RyYAZrZ
— さつき 読書垢 (@satsukiread) 2018年12月16日
「ほどなく、お別れです」読了。心の中にずっと父の葬儀を思い出しながら読みました。見送られる故人も見送る遺族もそれぞれの気持ちがあって。
父は納得いくお別れが出来たのかな?私は後悔がたくさん残ってしまった。
そんな事を思いながら読んだラストはうるうると泣けました。— まさみ (@takumutsu) 2018年12月18日
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ほどなく、お別れですの舞台
作中に登場する「坂東会館」や「光照寺」は、東京都墨田区と江東区にあるとされています。
墨田区や江東区は東京の下町と呼ばれていて、情緒ある街並みなどが人気の観光エリアです。
僕は昔の仕事の関係でこの辺りの土地勘があり、とても親近感を感じながら読んでいました。
おそらく坂東会館から光照寺までは、クルマで10~15分くらい。
おそらく、スカイツリーあたりから三つ目通りを下って行ったのではないかと思います。
この辺りで有名な場所は、浅草寺や両国国技館です。
雰囲気は似ているので、土地勘のない人でも何となく雰囲気を感じとってもらいやすいかもしれないですね。